tildaのブログ

読書日記にしたいけど多分そうじゃない

遠くへ行きたい

旅愁が足りない。

よくよく考えたら旅愁というものを感じたことがないような気もしたが、旅に出るならそういうものを感じなくてはならない。

家族旅行の話が上がったので、そんな気分にのぼせ上がってしまった。それもただの家族旅行ではなくて、鉄道旅行だ。公共交通が断末魔を上げそうな田舎に住んでいる身としては、計画段階とはいえ、否が応でもテンション爆上がりである。自動車社会の人間は鉄分に飢えまくっている、というのが持論であるが、身内にも同意してもらえていない。

そういうわけで、「鉄道旅行といえば宮脇俊三」と浮足立って地元の書店へと自動車を走らせた。悲しいことに私は最近の紀行作家という方をまったく存知上げていない。

地元の書店は、春アニメ化作品のトレーラを延々と流しまくり、アニメに浮かれていた。春が近いと、どこもかしこも浮足立つようだ。

さて、鉄道旅のお手本である宮脇俊三の本(持ち運びしやすいよう文庫)を探してみるが、どこにも見つからない。見つけられたのは、ただこの一冊だけである。

国内鉄道旅行のための気運を盛り上げたかったので、これはなんか違う。内田百閒先生の阿房列車が数冊あったけれども、ちょっとそれは時代が遠すぎてピンとこない。

 

仕方がないので、宮脇俊三の本は諦めて2冊ほど文庫本を購入した。

西の魔女が死んだ』の背表紙見て懐かしくなった時に、目についたので購入。鉄道が出てくるかどうか分からないけれども、「紀行」とあったので旅の気分を上げるのには良いような気がする。エストニアという未知の国が舞台なら、鉄道が出てこなくても泣かずに済む。

梨木香穂と同じく中学ぐらいに読んでた作家名が懐かしくなったので購入。何冊か読んでいたような覚えがあるんだけれども、よりにもよってこの本を読んでいなかった事に気づいた。中高の時に読む本というのは、人格に大いに影響するものなのだな、とうなずきながら読んでいたのだが、当の自分が中高とか学生時代に何を読んでいたかを思い出そうとしても何も浮かばない。血肉になって、新陳代謝をして、もうとっくに私からは消え去ってしまったんだろうか。